デザインシンカーとしての仕事 ~DX推進の技術専門会社にて~

はじめまして、飯伏(いぶし)と申します。今年度4月からInsight Edgeの一員に加わりました。

私は、デザイン思考のアプローチを軸に、DXの初期フェーズにあたる課題探索やアイデア想起からご支援するコンサルタントをしています。自己紹介では、よくデザインシンカーと名乗っています。

このように話すと、たいてい「なんだそれ」という反応をされます。そこで今回は「実はこんな仕事をしているメンバーがInsight Edgeにいるよ」をお伝えできればと思います。

Insight Edgeは住友商事グループのDXを加速することがミッションの技術専門会社ですが、DXに必要な(広義の)技術を提供するメンバーとして飯伏のような人間もいると知っていただければ嬉しいです!

 ※PM/PLに負けじと、こっそりながら人材募集を開始しています。ご興味を持たれた方はぜひご連絡いただけるとありがたいです!(カジュアル面談のエントリーはこちら)

デザインシンカーとしての仕事

1. 取り組むべきことや必要なものの整理(相談対応/案件化)

日々、住友商事の部署や住友商事グループの事業会社からDXに関する様々な問い合わせを頂いており、その初期的な対応が出番の一つです。

問い合わせの中には、すぐにPoCやソリューションの提案に進める明確な相談もあれば、取り組むべきこと・必要なものがモヤっとしている相談もあります。「努力しているが、これ以上どうしたらよいのかわからない」「打ち手の案はあるが何となくしっくりこない」など。

このようなモヤっとした相談に対し、数回のディスカッションを通じて、モヤを晴らすよう協力させていただいています。たとえば、対象となる事業や業務の内容、ご相談いただいた方の抱えている課題感や今後に向けた想い・気持ちなど、お話を引き出しながら可視化して、一緒に整理しています。

整理結果に応じて、具体的なPoCやソリューションの企画、あるいは更なる課題探索やアイデア発想の機会など、取り組むべきこと・必要なものを見極めて提案しています。ご相談いただいた方の視点に立ち「Insight Edgeとの連携が必要と限らない」とわかれば、よりふさわしい連携先や社内組織での対応の提案もしています。

2.事業や業務の現状リサーチ、課題の抽出(課題設定)

相談対応/案件化の結果「ビジネスの現状課題探索が必要」となった場合には、プロジェクトの企画・提案・実対応の通しで出番になります。

いくつかの、または特定の事業や業務を対象に、担当者へのインタビューやオペレーション中の現場観察による現状リサーチに取り組みます。このようなリサーチは色々な企業で様々な目的のもとに取り組まれていると思います。

技術専門会社としては、現場と同じ目線でより具体にリアルに見聞きし、生々しく理解・共感することが、その後のテクノロジー活用の検討・実装・浸透に効いてくると考えています。実際に改革が起きる・改革を起こす現場にとって何が必要か、どのような形が受け入れるか、どうあると持続するか…の解決すべき課題のヒントを得られるためです。

実際のプロジェクトとして、現在、事業会社内のデータ分析チームと連携し、複数本部門の横断的にリサーチしています。各部署担当者の業務の流れ、想い・課題感をインタビューで引き出して整理した上で、データ活用に着目しながらDX視点での課題の抽出を進めています。

ちなみに、リサーチの事前に基本情報のインプットをお願いするのですが、同じ住友商事グループの一員として協力的な方々ばかりで、とても助かっています(Insight Edgeの恵まれている点ですね…感謝)。

3.テクノロジー/データ活用のアイデア発想のリード(アイデア想起)

テクノロジー/データを起点に「この技術を活用するアイデアが出てこない」「データ活用のアイデアはあるが他視点でも発想したい」といった相談があると、これもまた出番になります。

理想を言えば課題設定から取り組みたいところですが、実際にはテクノロジーやデータを起点としたアイデア想起スタートのご要望も多く頂きます。そのような際に「どのようにしたらアイデアを出せるか(+課題も引き出せるか)」と、うんうん頭をひねりながら、既存のフレームワークを組み合わせたり、1からアプローチを考えたりしてお応えしています。

たとえば、最近は「ChatGPTを活用するアイデア出しに困っている」がホットな相談です。そこでChatGPTチームのメンバー(こちらこちらの執筆者)と連携し、ChatGPTの活用アイデアを発想するためのツールとワークショップを作りました。

具体的にはChatGPTを3系統9種類のキャラクターとして擬人化したカード=ChatGPTキャラクターカードと、それを材料に業務での活用アイデアを発想する3時間のワークショップを企画・設計・作成しました。ありがたいことに、すでに複数社で実施させていただいています。

デザインシンカーとしての仕事への想い

ずらっと書いてしまったので、今回ご紹介するのはここまでにします。

今年度からInsight Edgeに加わり、各所からご相談いただいたり、プロジェクトで実対応したりする中で、現在取り組んでいることへのニーズの高さを改めて感じています。

各社ともDX推進に取り組んで数年経ち、前述した「努力しているが、これ以上どうしたらよいのかわからない」などといった状況が増えているのだと捉えています。

そのような中で、ビジネス上の数字やシステムだけでなく、事業推進者や現場担当者などの人が抱える課題・想いの視点で寄り添い、デザイン思考のアプローチを基に試行錯誤して「より良くする」活動を一緒に進めるのが、デザインシンカー飯伏です。

この視点やアプローチが常に正解とは限りませんが、事業会社のみなさまやその先のユーザー・お客さまのうれしさを生み出すと信じています。

今後に向けて

想いの一方、足元では対応リソースの都合から、数々いただくお問い合わせにお待ちいただいたり、残念ながらお断りしていたりしているのが実情です。

多くのご相談にしっかりお応えできるよう、今後は仲間を増やし「テクノロジーとクリエイティブによる価値創出」をデザインの力で担う組織を作っていきたいです。併せて、Insight Edgeの高い技術力を活かした課題設定やアイデア発想の手法・アプローチも開発したいです。

最後に

以上になります。いつものTech Blogとは毛色の違う内容でしたが、いかがでしたでしょうか。DX推進の技術専門会社におけるデザインシンカーの仕事から、「実はこんな仕事をしているメンバーがInsight Edgeにいるよ」をお伝えできていれば幸いです。

 ※繰り返しになりますが、人材募集を開始しています。ご興味を持たれた方はぜひご連絡いただけるとありがたいです!気軽に色々とお話させていただけるだけでも本当に嬉しいです!(カジュアル面談のエントリーはこちら)

実は、現在参加中のTechnology Creatives Program(通称テックリ)という、東京工業大学・多摩美術大学・一橋大学で組成する教育プログラムについても記載していました。

が、ブログ編集から「ストーリー・メッセージがぼやける」とコメントをいただき、「たしかに…」と我に返ってゴソッと消しました笑 このテックリは想いや今後に向けてとつながっていますので、次の機会にご紹介できればと思います。それでは、また。