声だけの議論に頼らない。 デザイナーがやる“見える化ファシリテーション”

はじめに

みなさん、こんにちは😊
Insight EdgeでUIUXデザイナーをしている酒井です!

2020年のコロナ禍以降、オンラインでの会議が主流になった昨今ですが、オンライン会議で「ちゃんと関係者全員で話をしたはずなのに、後から認識がズレていた」と感じたことはありませんか?
同じ言葉を使っていたのに、思い描いていたイメージは人それぞれ違っていた...そんな経験は、決して珍しくないはずです。
初めて聞くテーマや、普段あまり関わらない領域の話では、内容を正しく捉えるだけでも意外と難しいものです。
その中で起きやすいのが、認識齟齬です。

今回は、私がデザイナーとして実践している「見える化」を意識したファシリテーションをご紹介します。
声だけの議論に頼らず、全員が同じものを見ながら会話することで、オンライン会議の質を高めるヒントになれば嬉しいです✨

なぜオンライン会議で認識齟齬が起きるのか?

オンライン会議では、相手の表情や場の空気感が読み取りづらくなります。
回線状況や環境の都合で、カメラオフのまま進むことも少なくありません。

その結果、私たちは「言葉」だけを頼りに話を理解しようとします。
しかし、言葉はとても曖昧です。同じ「業務フロー」「課題」「システム」という言葉でも、人によって思い浮かべる内容は違います。

さらにオンラインでは、参加者全員が同じ前提を持っているとは限りません。
立場や経験、背景知識の違いによって、理解の起点が少しずつズレていきます。

こうした状況が重なることで、次のような状態が起こりやすくなります。

  • 各自が頭の中で別々のイメージを描いている
  • 今どこの話をしているのか分からなくなる
  • 重要な論点がどこなのか判断できない
  • ズレに気づかないまま、会話が進んでしまう

この背景にあるのが、会話の構造が見えなくなっていることです。

話題が行ったり来たりしたり、現状の話と理想の話が混ざったり、
前提条件が共有されないまま議論が進んだりすると、話している本人は理解していても、聞いている側は「今どこの話?」と迷子になります。

特に抽象的な話題になるほど、このズレは表に出にくくなります。
1時間の会議で得られる情報は多くありません。

だからこそ、その限られた時間の中で
認識を揃えられるかどうかが、その後の進み方に大きく影響します。

認識齟齬がプロジェクトに与える影響

認識齟齬は、起きた瞬間に大きな問題として表に出ることはあまりありません。
むしろ、最初は「なんとなく分かっているつもり」のまま進んでしまうことが多いものです。
しかし、その小さなズレを抱えたまま進むと、プロジェクトの中で少しずつ影響が現れます。

まず起こりやすいのが、要件のブレです。
前提の理解が揃っていない状態で話が進むことで、

  • 想定していたアウトプットと違うものが出てくる
  • 後から「そういう意味ではなかった」と修正が入る

のようなズレが生まれます。

その結果、手戻りが増え、スケジュールやコストにも影響が出てきます。
後になればなるほど、修正にかかる負担は大きくなりがちです。

「最初の会話で、もう少し丁寧に認識を揃えておけばよかった」
そう感じた経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか。

また、認識齟齬の影響は、成果物や進行面だけにとどまりません。
人やチームの状態にも、じわじわと影響します。

  • 自分の理解が合っているのか不安になる
  • 「またズレていたらどうしよう...」と発言をためらってしまうようになる
  • 確認や質問が減り、会話が表面的になる

こうした状態が続くと、信頼や心理的安全性が下がり、結果として議論の質そのものが落ちてしまいます。

だからこそ、認識齟齬は「後から修正する問題」ではなく、その場でできるだけ防ぐことが重要だと考えています。

会話で迷子にならないための“構造化”アプローチ

そこで意識しているのが、リアルタイムでの構造化です。

会話を聞きながら、その内容を整理し、見える形にしていくことです。
ポイントは、「正解を描く」ことではありません。

  • 今、自分はこう理解している
  • 話の全体像はこう見えている

それを一度、外に出します。

下の画像は、ある会議で私が話を聞きながら、FigJamに内容を書き出していったものです。

構造をきれいに整えることは意識していません。とりあえず付箋に書き出し、見える場所に並べていきます。

そうすると、参加者から自然と、

  • 「そこは、そういう意味じゃないです」
  • 「そことそこ、つながる感じがします」
  • 「その話は、もう少し前の話ですね。今は右側の付箋の話をしています」

といった反応が出てきます。

この付箋たちは、会話の結論ではなく、会話を進めるためのたたき台です。

人は良くも悪くも、「見えているもの」に引っ張られます。
だからこそ、頭の中にある曖昧なイメージを外に出し、全員で同じものを見ながら修正していく。

そうすることで、
「今どこの話をしているのか」「何がズレていて、何が合っているのか」が自然と共有されていきます。

難しいフレームワークは必要ありません。
例えば、次のような切り口をメモ帳にそれぞれ書き出すだけでも十分です。

  • 全体像
  • 現状
  • 課題
  • 理想(どうしていきたいなどの考え)

話を聞きながら、「今の話はどこに当たるか」を整理していきます。
完璧でなくても全然大丈夫!後から直せばいい、という前提で進めていくことがポイントです。

「全員のイメージを揃える」ためのポイント

大事なのは、自分の理解を共有する勇気💪です。
(私は今でもちょっぴり緊張します😅特にお客さんとの打ち合わせは....💦)

「今の話を、私はこうかなと理解したのですが、どうでしょうか?イメージが異なる部分についてぜひご意見ください!」

そう問いかければ、

  • 違っていればすぐ修正できる
  • 合っていれば全員の認識が揃う

という状態を作れます。
修正されることを前提に出すことで、こちら側の心理的なハードルも下がります。
(案外みなさん優しく教えてくれるものです。笑)

実践して感じている効果

このやり方を続けて感じているのは、

  • 「それは違います」と早い段階で言ってもらえる
  • 会話の透明性が上がり、議論が活発になった
  • 空中戦にならないため、会議時間の短縮にも繋がった

といった変化です。
結果として、プロジェクトの進行もスムーズになっていると感じています。

まとめ

会議は「話す場」ではなく、「認識を揃える場」だと私は思っています。
共通認識は、自然にはなかなか生まれません。
意識して進めることで、はじめて全員が同じ方向を向いて会話できます。

業界や立場の異なる人と議論する機会が多くあります。
だからこそ、声だけに頼らず、見える形で認識を揃えることを大切にしてきました。

こうした考え方や工夫は、特定の業界や職種に限らず、
人と人が話すあらゆる場面で活かせるものだと思っています。

限られた時間を、価値ある時間にするために。
Insight EdgeのValueのひとつである「みんなでやる」を体現するためにも、
チームメンバーと同じ認識を持ちながら、一丸となって進めていきたいと考えています。

これからも、声だけの議論に頼らない工夫を続けていきます。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました 😊✨