Insight Edgeのプロジェクトマネジメント業務と私が大事にしている事について

はじめまして。Insight Edgeでリードプロジェクトマネージャーを務めている加藤です。簡単に自己紹介から始めさせて頂きますと、私は2022年にプロジェクトマネージャーとしてInsight Edgeに参画致しました。後述致しますが、参画後、現時点(執筆時点:2023年3月)でも、これまで経験出来なかった様な多種多様な業界/分野にて業務遂行出来ており、非常に刺激的な日々を送る事が出来ております。今回の記事ではInsight Edgeにおけるプロジェクトマネージャーの具体的な業務内容と、参画後、私なりに重要だと考えるスキルセットやマインドセットについて紹介させて頂きます。

対象となる業界/分野について

当社HP (https://insightedge.jp/company/)、及び冒頭でも触れた通り、当社は住友商事グループのデジタルトランスフォーメーション(以下、DXと記す)を加速する為の技術専門会社として設立された経緯から、非常に多岐に亘る業界/分野に活躍出来る機会があります。具体的に申し上げれば、金属、建設、インフラ、生活・不動産、農業、エネルギー等々が挙げられ、定量的な観点で言えば、全世界900社強と実際にコラボレーションし、DXの推進を強力、且つ主体的にリードしています。こうした状況下でのプロジェクトマネージャーの具体的な業務内容について、次セクションにて説明致します。

プロジェクトマネージャーの業務内容について

プロジェクトマネージャーの具体的な業務内容について、上記の通り、業界/分野の切り口でも多彩で有り、置かれている状況/目指すべき方向性も千差万別である為に、私が対応した範囲でも数多くの業務があり、その中でも主要な業務を挙げると以下になります。

  • ① 案件企画/構想段階での内容具体化に向けたマネジメント
  • ② 開発段階での開発マネジメント
  • ③ 推進中案件におけるPMO、及び中立性、且つ専門性を発揮したアドバイザリ
  • ④ ITDD、及び新規事業/技術採用における中長期目線、且つPM目線での評価

今回の記事ではこの中で①・②について詳細を記載致します。

①案件企画/構想段階での内容具体化に向けたマネジメントについて

当社では住友商事グループのDX推進の加速を、というのは先程も触れた通りですが、実際に案件として相談されるステータスも様々異なります。こうした状況下から、実際に具体的な企画・構想に昇華すべく、現状把握は勿論の事、意思決定者等のキーマンや組織/関連ステークホルダーの整理、主要関係者を中心とした対象業務のヒアリング、ヒアリングを元にした課題設定や仮説となる有用な打ち手の提案を行います。提案内容についても内部の有識者や業界知見の高い専門家の支援も仰ぎつつ、プロジェクトマネジメント観点での実行可能性の精査や、具体的な計画立案、及び費用対効果を意識しながら有用な開発手法・陣容の整理を行います。また、単一の計画策定に留まらず、第二/第三案の立案等、不測の事態に備えつつ、最もフィージビリティが確保出来、実現速度もある程度担保可能な案にて関係者全体で合意形成を図る事を重視しながら行動します。こうした活動、及び関係者宛の説明や合意形成を経て、後述の実開発に進みます。

②開発段階での開発マネジメントについて

実際の開発段階に進んだ案件については、基本的には事前合意済みの開発手法/陣容/計画に則って開発を推進する事になりますが、ここでは実証実験段階での開発と仮定して内容について説明致します。通常、製品として実際にサービス提供を行う場合は、機能要件、並びに非機能要件共に厳格に定義した上で開発推進すべきですが、実証実験段階ではそもそも利用者/シーンが限定的である事、また、開発対象の製品そのもののリッチさというよりかは、いち早く案件企画/構想段階で仮説定義した要件が業界/分野のゲームチェンジャーとなる有用な施策となり得るかどうかの検証を行いたいニーズも強い為、MVP開発としつつも、機能要件/非機能要件を何処まで精緻に今回開発スコープとするかについても十分に確認と協議が必要になる部分です。一方で開発手法の如何に関わらず、上記内容をコストコントロールも意識した上で、関係者に確認を行い、納期超過とならない様に開発計画に織り込み、品質についても有識者による成果物検証や第三者検証を交えながら推進を行う必要があるという意味では、実証実験段階と通常の製品開発マネジメントと異なる部分は無いです。

プロジェクトマネージャーに必要、且つ重要なスキル/マインドセットについて

最後に私がこれまで過ごした期間で感じた、プロジェクトマネージャーに求められるスキルセット/マインドセットについて説明致します。結論から申し上げると、以下の3点になります。

  • ①核となる普遍的な業務スキルを獲得/養う事
  • ②スタンスを取る事
  • ③当事者意識/主体性を持って業務遂行に臨む事

ここからは該当の各記載事項についての詳細を説明致します。

①核となる普遍的な業務スキルを獲得/養う事

これまで記載した業務内容を分解すると、単純に列挙したとしても、

  • プロジェクトマネジメントスキル
  • ITスキル
  • 業界知見
  • 問題解決能力
  • コミュニケーション能力

等々、幅広い業務スキルが必要となりますが、これらは一朝一夕で身に付けられる物ではなく、日々の業務遂行や泥臭い自己研鑽の繰り返しの積み上げで蓄積される物です。また、特にITスキルで言えば、日進月歩で技術革新が発生している昨今の状況を鑑みても、それらをキャッチアップするのは常にアンテナを張り続けるだけではなく、意欲的に学習を行う姿勢が重要となります。一方、それぞれで共通に言える事は、全て要諦と言える勘所、即ち原理原則に当たる部分が存在するという事です。例えば、プロジェクトマネジメントスキルで言えば、プロジェクトマネジメントにおける各知識領域下での要諦はそれぞれ一意(スケジュール管理で言えば、各タスク間の先行関係の可視化、及び適切な重要マイルストーンの設置も伴ったクリティカルチェーンの図示、不測事態発生時のリカバリ計画を考慮した計画策定等)に定まるものの、実際の管理手法といった方法論は多岐に亘る、といった具合です。最終的には全方位的なスキル獲得・習熟は必要になりますが、先ずは一つでも自分の中で武器となり、核となる業務スキルを身に付ける事、また、身に付ける内容については特定分野/ニッチな領域の知見といった細かな枝葉の部分ではなく、該当スキルの原理原則となり得る幹の領域を取得する事を推奨します。

②スタンスを取る事

DX推進と一言で表現しても、その内容は一概には決まっていないものの、実際の案件内容は新規事業の創出や既存業務の抜本的な見直しといった、これまでの企業文化/活動を変革させる事が中心となるケースが多々有ります。それは言い換えれば、これまで誰も成し得た事がない、未知の領域に足を踏み込む事と同義になると共に、当然、明確な正解や道筋は存在しません。この「正解や道筋は存在しない」状況の中でも、その状況下で考え得る尤もらしい正解を仮説として、唱え続ける能力こそがスタンスを取るという事であり、非常に重要なポイントの一つです。正解が存在しない以上、何をどう主張したとしても時には反対意見や抵抗勢力と拮抗する場合も当然出てきます。しかし、見方を変えれば、この反対意見や抵抗勢力に対抗出来る対応案や対策を講じられれば、その仮説の確からしさはより確実な物になる上に、仮に当該見解の通りだったとしても、それはその見解を起点に新たにスタンスを取り直せば良い話とも言えます。大事なのは、スタンスを取り続ける事で目指すべき方向性を生み出し、軌道修正しながら、プロジェクトの正解を可視化して具現化していく事なのです。

③当事者意識/主体性を持って業務遂行に臨む事

最後になりますが、これは純粋なマインドセットの話になるものの、ある意味では一番重要な要素と考えている事項になります。皆さんは自分自身の業務範囲/役割について、明確に回答可能でしょうか?若しくは、アサインされた案件や業務、タスクについて、何処までが自分自身の作業スコープかどうか正しく理解出来ていますでしょうか?改めて問いたい点は、回答可能でも理解出来ていた場合でも、何故自分自身の管轄外(と自身で定義した)の業務は未実施でも問題ないのか、という点です。勿論、これは、過剰な労働やワーカホリックとなる事を推奨する訳でもなければ、職責や役割の観点からあまりにも乖離した業務遂行を奨励する訳でも有りません(極端な例になりますが、入社早々で知見・経験が無い状態のまま特定会社への事業投資判断をする等)。伝えたいのは、自分自身で定義している管轄=壁は本当に壁なのかどうか、という事です。先程の「スタンスを取る事」で触れた通り、正解がない、未知の領域での業務遂行が基本となるDX推進において、方針転換が発生するケースは少なくはなく、突発的に発生するタスクや至急対応を求められる事案も散発します。こうした時に当事者意識/主体性を持ってリード出来る人間と、管轄を厳格に定義し、管轄外業務では遂行を断念する/リードを他者に依存する人間とでは、達成した結果が同じであったとしても、培われる経験値や知見の蓄積数、または得られる信頼感の多寡は異なるケースが多いと感じます。もし、可能であれば明日からでも、且つどんなに小さな事でも構いませんので、自分で定義した管轄を、壁を破ってみて、自分事として業務遂行の範囲を広げてみてはどうでしょうか?上記、自分自身の更なる成長という観点を除いたとしても、きっと素敵な結果が待っていると思います。

終わりに

如何でしたでしょうか?今回はInsight Edgeでのプロジェクトマネージャーの具体的な業務内容の紹介と私が大切にする具体的なスキル・マインドについて説明させて頂きました。Insight Edgeでは今回ご紹介したプロジェクトマネージャーの採用も意欲的に行なっており、今回の記事を通じて私達と是非とも働いてみたいと感じる方がいらっしゃればご応募の上、いつか一緒に私達の最大の目標である住友商事グループの更なるDXの加速を実現出来れば幸いです!