DX内製化組織において組織横断の業務改善を担う「セールスプランニング」とは?

皆さんこんにちは、Insight Edgeでコンサルタントを務めております根本と申します。 前回寄稿したブログでは新入社員として感じたことを中心に書かせていただきましたが、それから約1年が経過した現在の仕事を皆様にお伝えすることで、少しでもInsight Edgeの内側が伝われば幸いです。 実は現在、いわゆる「コンサルタント」とは少し毛色の異なる業務を主務としています。 今回の記事ではその主務である「セールスプランニング」についてご紹介したいと思います。

目次

1.セールスプランニングとは

Insight Edgeでは、今年の4月より、セールスプランニングという役割を営業組織内に新設しました。 元々営業組織の中にはコンサルティング、アライアンス、サービスデザイン、マーケティングといった役割を持つチームが存在していましたが、5つ目のチームとして新たに立ち上げたものです。

皆さんはセールスプランニングと聞いてどのような職種を思い浮かべるでしょうか。 日本企業であれば「営業企画」や「営業戦略」、外資系企業であれば「セールスオペレーション」や「セールスストラテジー」を思い浮かべる方が多いのではないかと思います。

私の前職はグローバル企業で、Insight Edgeと比べて遥かに大きな組織であったため、役割に応じた細かいチームが組成され、複数の部署が様々なアプローチで営業部隊を支援していました。  例えば売上や案件管理については営業管理部隊、会議の企画やファシリ、業務改善についてはオペレーション部隊、そして戦略立案は戦略部隊という形で細分化されていました。

Insight Edgeはご存じの通りまだまだ規模が小さく少数精鋭の会社ですので、現状これらの業務をひとまとめにセールスプランニングという営業組織の中の1チームが担っています。 具体的には「売上管理」、「案件管理」、「各種会議体の企画およびファシリテーション」、「営業活動における業務/プロセス改善」、「組織戦略立案支援」、そして「全社横断の改善企画立案・推進」などが主な役割です。
これまでこれらの課題に対して、既存メンバーが主務の傍ら対応していましたが、より効率的かつ高い品質で行うべく、2024年4月より専門チームを新設しました。

チーム組成当初に作成した業務範囲と具体タスク案 Planning、Operation、Enablementの3軸で整理したもの。

2.セールスプランニングに求められること

Insight Edgeは順調に組織・事業規模ともに拡大傾向にあり、様々な部分で常に大きな変化が起きています。 これらの急な変化に伴い、これまで顕在化していなかった様々な課題が見えてきている状況です。
前述の通りセールスプランニングでは、非常に幅広い範囲の業務を担当していますが、潤沢なリソースの元、細かい部分にまで手が回っているかというと決してそうではありません。 少数精鋭ということからもお察しいただけるかと思いますが、セールスプランニングについてもごく少数のメンバーで構成されています。

そんな中でセールスプランニングに求められていることは大きく2つあります:

  • 経営陣のサポート:経営陣が正しく現状を把握し、今後の計画を立てるための右腕となりバックアップすること。
  • 課題解決:会社の拡大に伴う種々の課題に対して能動的に動き、他部署と連携して解決を進めること。

前者については、IE内の各種意思決定がデータを元に効率よく行える状態にすべく、インフラとしてデータ周りを整備、データを活用できる状況を整えた上で、各種意思決定に必要なデータ、インサイト提供を行うことが求められています。 今後の方向性を議論するためには現状を正しく把握する必要がありますが、現在正にこの部分に取り組んでいるところです。

後者については、セールスプランニングは営業組織内のチームではありつつも、行う業務のほとんどが組織横断的に行うものであり、全社的な課題解決への貢献を期待されています。
自部署における課題だけでなく、会社全体を見通し、どういう課題があり、どういう優先度で解決すべきかを常に考えることが求められています。

3.これまでの実績紹介

ここで、今期取り組んできた取り組みの一部をご紹介したいと思います。
「案件推進プロセス整備」という業務改善企画がその一つです。 Insight Edgeでは多くの案件を様々なメンバーで推進していますが、初期相談から前捌き、顧客への提案から社内合意形成、契約締結までの一連のプロセスが可視化/整備されていない状況でした。

これにより、案件推進の品質が属人化してしまい品質にバラつきが出てしまう、必要な合意形成がされていない状況で顧客と諸条件を握ってしまうなど、実際にいくつかの問題が生じていました。 案件推進は営業部隊だけでなく技術チーム、管理部、経営陣を含めた全社的な関与で進むものですので、部署横断での取り組みが必須な状況でした。

この状況を改善すべく、セールスプランニングが主導する形で、新しい案件推進プロセスの整備に取り組みました。 まずは案件創出からクロージングまでの一連の流れを可視化し、フェーズごとに必要なアクションを定義、いくつかの文書フォーマットや会議体などを新設するという企画を立案しました。 その企画を元に社内の合意形成を得たうえで、実際に運用を行う部分もセールスプランニングが担い、軌道に乗せることで前述の課題解決に貢献しました。

この他にも、営業組織においてメンバー間の議論をより頻繁に行うための会議体の新設や、契約実務プロセスの最適化など、大小さまざまな改善を進めています。

案件推進プロセス整備の際に用いたBeforeAfter図。 既存のプロセスに新たな仕組みを追加する形で整備を行った。
案件推進プロセス整備の際に用いたBeforeAfter図。 既存のプロセスに新たな仕組みを追加する形で整備を行った。

4.セールスプランニングの面白さ

現在主務として取り組んでいるこのセールスプランニングの領域ですが、個人的には非常に面白い仕事だと思っています。 もちろん業務量も多く、解決すべき課題も非常に多い状況ではありますが、どの課題解決に取り組むか、それをどのように解決していくか、大きな裁量をもって業務にあたれる点が非常に魅力的な部分だと感じます。

また、業務の幅がとても広い点も、個人的に面白いと感じる要素の一つです。 会社が大きくなればなるほど、自身の業務範囲が定義され、基本的にはその範囲内で業務を行うことになりますが、Insight Edgeでは必然的に部署横断の取り組みが多く、扱う課題のカテゴリも経営直結の重要度が高いものからオペレーション/プロセス整備、会議体の企画、テンプレートの整備などビジネス全体に渡ります。

営業組織内のチームでありながら、全社横断的な動きを取っている点もユニークです。 営業組織単体の課題解決を行うだけでなく、組織横断で課題解決に取り組むため、Insight Edgeが抱えるエンジニア、データサイエンティスト、プロジェクトマネージャーといった技術メンバーとも深い関わりを持ち、一丸となって業務改善に取り組んでいます。 そういった改善活動においては営業目線だけでなく、技術者の視点でも改善策を考える必要があり、自分が持っていない視点/視座で考えることは自己成長にもつながります。

また、前回のブログでも書きましたが、Insight Edgeは外部環境・内部環境共に変化が大きい会社です。 当然その変化に合わせて解決すべき課題、求められるものも変わってきますので、都度変化するニーズに対応しながら会社全体の改善に貢献できることは仕事をするうえで大きなやりがいになっています。

5.現在取り組んでいる課題、今後の展望

今回取り上げた実績は、セールスプランニングで対応する業務範囲のごく一部に過ぎず、解決すべき課題はまだまだ無数に存在します。 例えば直近では、1つの案件推進において、フェーズが切り替わるタイミングで担当チームが替わることがありますが、その引継ぎをいかに効率よく行うか、またそれをするためには案件の走り出しのタイミングでどういう整理が必要か、という議論が進んでいます。

また、新しい相談があった際、会社としてその案件に取り組むべきかどうかの判断基準や、複数の案件が同時進行する中で工数差配の優先度付けなど、ビジネスの根幹となる部分でも多くの課題があるのが現状です。 セールスプランニングでは、これらの課題に対して費用対効果やインパクトなど、様々な点を踏まえて優先度を付け、順次対応を進めているところです。

引き続き様々な領域で改善を進めていくことになりますが、担当者としてはやはり専門性の造成が必須であると感じています。 全方位的なスペシャリストが揃っているわけではないため、新たな領域へチャレンジする際には実際に業務を進めつつその領域の専門性を社内の誰よりも持つ必要があります。 それには実務だけではなく自己研鑽による知識習得が必要になりますが、業務バランスを保ちつつこの時間をどう捻出するかが直近の課題です。

6.さいごに

いかがでしたでしょうか。 技術者集団であるInsight Edgeの中でもこういう役割で仕事をしているメンバーがいる、ということが少しでも皆様に伝わり、興味を持っていただければ幸いです。 技術職以外でも活躍いただけるフィールドは多くありますので、カジュアル面談のご相談お待ちしています!