​​第3回 DX EXPO 参加レポート

こんにちは!Insight Edgeでコンサルタントとして働いている塩見です。

2月7日から2月9日の3日間、東京ビッグサイトにて、日本国内のDXソリューションが集う国内最大規模の展示会「第3回 DX EXPO」が開催されました。今回、私がこちらの展示会に参加してきましたので、会場の様子や注目を集めていたDXソリューションをご紹介したいと思います。

今後、DX EXPOへの参加を検討している方の参考になれば幸いです。

DX EXPOとは?

DX EXPOとは、業務効率化・働き方改革・経営基盤強化を実現するためのDXソリューションが一堂に集う、日本最大級の展示会です。後援にデジタル庁・総務省・東京都・大阪府等が入っています。

今回で開催が3回目となったDX EXPOですが、本開催は「経営支援 EXPO」と「ニューノーマルワークスタイル EXPO」との同時開催となっており、東京ビッグサイトにて、多くのDXソリューションの展示が行われました。 


図1. DX EXPO 開催会場(東京ビッグサイト)

DXソリューションは約750種類出展されており、それらの多くを展示会場で実際に触って体験することが出来ます。また、富士通やサッポロホールディングス等、様々な業界トップ企業が講演するDXセミナーも無料で受講することが可能です。

展示会場(3つの専門エリア)

私は開場初日、展示会に参加してきました。午前中はあまり来場者がおらず、お昼過ぎから人が増えてきて、夕方にはかなり混雑していたように思います。


図2. 開場直後の展示会場内部の様子。まだ来場者は殆どいません。展示側も慌ただしく準備をしていました。

混雑時の混み具合については、DX EXPOの公式ホームページが参考になると思いますので、気になる方はこちらをご確認いただくと良いかもしれません。
https://www.dx-expo.jp/spring/report

展示会場には、展示ブースの他、2箇所のセミナー会場とテレワークラウンジが設置されています。テレワークラウンジではWi-Fiが使える為、リモートワークを行う多くの方が使用されていました。何度か覗きましたが、常に満席状態だった為、使用する際は早めに席をとっておいた方が良さそうです。

さて、今回のDX EXPOでは、展示会場が3つの専門エリアに分けられています。それぞれのエリアにて、各テーマに特化したソリューションを体験することが出来ます。ここからは各エリアの様子を簡単にご紹介します。

バックオフィスDX展

まず、こちらのエリアでは、バックオフィス業務に関連するDXソリューションの展示が行われていました。具体的には、

  • 人事・労務システム
  • DX人材育成・採用・研修
  • PRA・チャットボット

といったソリューションが紹介されていました。

本エリアの広さは会場の3〜4割を占めるぐらいに広く、大規模なブースエリアを設けている会社が多くありました。また、ブースに訪れる来場者数も他エリアと比べて、多かった印象があります。

マーケティング・営業DX展

次に、こちらのエリアでは、マーケティングや営業等の業務に関連するDXソリューションの展示が行われました。具体的には、

  • SNSマーケティング
  • MAツール
  • データ分析・BIツール

といったソリューションが紹介されていました。

本エリアもかなり広く、バックオフィスDX展と同等規模の広さでした。バックオフィス展と比べると、中小規模のブースが多く、来場者数は若干少なかったと思います。

店舗・施設DX展

最後に、こちらのエリアでは、店舗や施設運営等の業務に関連するDXソリューションの展示が行われました。具体的には、

  • 店舗運営ツール
  • キャッシュレス決済
  • CX向上ツール

といったソリューションが紹介されていました。

本エリアだけ、かなり狭かったです。出展数も10に満たないぐらい少なかったと思います。店舗や施設運営に関するDXソリューション自体、数が少なく、展示する企業があまりいなかったのかもしれません。

DXセミナー

本展示会では、大手企業が開催するDXセミナーを無償で受講することが出来ました。セミナー会場は2箇所あり、大きい方の会場では500人近い座席スペースが用意されていました。


図3. 大きい方のセミナー会場。セミナー中は撮影不可とのことだったので、セミナー開始前の様子です。


図4. セミナー登壇者。大手企業の役員の方々がDXに関連する内容を話してくれます。

私は2月7日に実施された、富士通・福田さんとサッポロホールディングス・佐藤さんのセミナーを受講させていただきました。両セミナーともに、座席スペースが満席となり、追加のパイプ椅子が用意されるなど、非常に人気だったようです。

福田さんは、富士通が取り組むDX「フジトラ」の内容を話されました。日本でDXが進まない課題を経路依存性(過去の経緯や歴史によって決められた仕組みや出来事にしばられる現象)として捉え、それを解決する為の富士通の活動内容を熱く説明されていました。

また、佐藤さんはサッポログループ全体で進めている「グループ全社員DX人材化」の具体的な取り組みに関するお話をされました。約6,000人規模のグループ社員に対し、段階的に教育を行い、実際にプロジェクト経験を積ませている等、勉強になる点が多かったです。

他のセミナーも聞きたかったのですが、今回は都合が合わず、残念ながら諦めました。なお、セミナー参加には事前の申し込みが必要ですが、座席に余りがあれば当日参加も可能とのこと。立ち見している人もいたので、急遽見たいセミナーがあった場合、結構融通は効くのかもしれません。

注目を集めていたDXソリューション

今回の展示会では750以上のDXソリューションが展示されていました。その中でも、多くの人の注目を集めていたソリューションをいくつかご紹介します。私が見たタイミングで人が多かっただけかもしれないので、あくまでご参考までに捉えていただけますと幸いです。

ナビ搭載業務自動化RPA_PKシリーズ(株式会社キーエンス)


図5. 株式会社キーエンスのブース

人が少ない初日午前でも人だかりが出来ていたのが、キーエンスのブースでした。何を展示しているんだろうと、ふと覗いたら、RPA製品であるPKシリーズと呼ばれる商品を紹介していました。本当に何でも作っていますね。

ブースにいた方にお話を伺ったところ、こちらの商品は事業開始して1年ほどらしく、従来のRPA以上に直感的な操作で簡単に作業シナリオが作成できるようです。また、Excelのデータを使った作業自動化も得意で、これら自動処理を安定的に実行できる点も、他RPAより優れた点とのことでした。

PKシリーズの詳細はこちら。
https://www.keyence.co.jp/ss/products/software/rk/006/

CLOVA OCR(LINE株式会社)


図6. LINE株式会社のブース

LINEのブースも人が多かったです。セミナー会場近くだったということもあると思いますが、LINEがOCRサービスを展開していることを知らない方が多くいたのかもしれません。

ブースでは、OCRの認識精度を競う世界的なコンペで世界No.1を獲得している点や、様々な画像・PDFデータを認識可能な点を社員の方がアピールされていました。

CLOVA OCRの詳細はこちら。
https://clova.line.me/clova-ocr/

ChatGPT×AIチャットボットAlli(Allganize, Inc.)


図7. Allganize, Inc. のブース

AIベースのナレッジマネジメント事業を展開するAllganize(オルガナイズ)。こちらのブースは展示会の中でも一番小さいサイズのものでしたが、その中でも人が多く集まっていました。

ブースでは、主にチャットボットに関連するサービスの展示が行われていました。チャットボットの展示は複数のブースで行われていましたが、Allganizeの展示では、ChatGPTと自社チャットボットサービスの連携をアピールしていました。ChatGPTの訴求だけで集客力が強まったと思うのですが、ChatGPTが流行って間もない中、こういった展示会までに用意できるスピード感はすごいと思いました。

ブースにいた方に話を伺ったところ、実はChatGPTを活用した機能の商用リリースはされておらず、機能の詳細もお伺いできませんでした。今後ChatGPTと連携した機能をリリースしていく予定とのこと。具体的にどんなサービスが展開されるのか楽しみですね。

AIチャットボットAlliの詳細はこちら。
https://alli.allganize.ai/

まとめ

本記事では、2月に東京ビッグサイトで開催された第3回 DX EXPOについてご紹介しました。想像していた以上に人が多く、また展示側も積極的に自社アピールをしていて、かなり賑やかでした。

今回の展示会では、RPAやダッシュボード系のソリューションが多く展示されており、来場者が多く集まっていたブースも、これらのソリューションを扱っているところでした。日本のDXトレンドとしては、業務自動化や現状の可視化といったニーズが、売り手側・買い手側ともに強いんだなと感じました。

一方で、これらのソリューションは部分的な業務改善には寄与しやすいと思うのですが、企業全体の変革といった大きな改善には繋がりにくいようにも思います。富士通・福田さんがセミナーで話していた通り、日本国内でDX推進を進める上では、経路依存性の課題を解決するような取り組みを進めた方が良いのかもしれません。

最後に、今年はあと2回、DX EXPOが開催される予定です。3月7日〜9日に大阪ATCホールで、7月11日〜13日に東京ビッグサイトで展示会が開かれます。無料で参加することが出来ますので、DXに興味がある方は、ご参加いただくと良いかと思います。